2020年03月30日

ステキブンゲイの話

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イラスト 宮尾和孝



『ステキブンゲイ』というサイトを始めました。

こちら、一般文芸を対象とした、いわゆる小説投稿サイトです。
小説を書きたい人、小説を読みたい人、いろんな人が集まって、何かステキなものが生まれたり、面白いことが起こる『場』になればいいな、と思っています。


今から一年以上前、ミュージシャンで小説家の河邉徹くんと二人で話をしたことが、『ステキブンゲイ』誕生のきっかけです。小説を二冊だした彼ですが、それ以外にも書いた小説があって、また、これから書きたい話もたくさんある。それをどうやって発表していくか、どうやって出版にまで漕ぎつけるか、というような、最初は悩みというか、相談を受けている感じでした。

小説は普通、文芸誌とか小説誌に連載して、やがてそれをまとめて本になるのですよ、などと最初は先輩ぶって話していたのですが、だんだん、いや違うんじゃないか、と思い始めました。これはそういう話ではない。僕らは今この目眩くような現代に、そんな話をしていちゃいけないんじゃないだろうか……。


出版の状況が悪くなるなかで、どうやってファイトしていけばいいのか?
以前と同じことをやっていてはじり貧だし、何より楽しくないんじゃないか?
小説はもっと戦えるはずだし、もっと届くはずだし、もっとダイレクトなものであっていいんじゃないか?


そういうことを可能にする『場』をおれがつくるよ、などと、ちょっと酔っていたんだと思いますが、僕は言ってました。だからその小説、おれに最初に読ませてよ、と。

多分、それ以前からうっすら考えていたことが、そのとき、いきなり像を結んだんだと思います。

うっすら考えていたのは、自分も小説を書いてみたいなあと言う人が、身の回りに多かったからかもしれません。書いている人に、ほんの少しアドバイスしてみたら、とてつもなく面白い小説になった、ということが何度かあったのも、関係あるかもしれません。

本当は別に、小説なんてものは、ノートに書いてもいいし、ブログに書いてもいいんです。でも、もっとステキな『場』があったなら、小説とか文芸とかそういうものの可能性が広がるしれない。何より、もっと面白い小説が生まれるかもしれない、と、そういうことをずっと感じていたのかもしれません。


それから一年あまり準備を進めました。
大勢の人に協力してもらって、『ステキブンゲイ』はできました。
続けることが何より大切だと思っています。そのために、まだまだ、いろんな人のお世話になると思います。

個人的には、読む人、書く人、みたいに分断された感じじゃなくて、書くしもちろん読むよ! という人が増えるといいなあと思います。『ステキブンゲイ』が、ひとつの大きくて自由な、文芸部みたいなイメージ。


まだまだシステム的な開発は進んでいて、コメント機能なども、近いうちに実装されると思います。そうしたら今よりもっと、文芸部っぽくなるかもしれないですね。僕も『SING OUT LOUD!』という、書きかけだった小説の連載を始めていますので、その際には、愉快なコメントをお待ちしています。


あとは『ステキブンゲイ大賞』という小説賞も立ち上げましたし、複数の出版社さんが書籍化にも協力してくれます。いつかこの『場』からスターを生みだしたいです。

君がもし気に入ったなら、この船に乗ると良いと思います。
熱烈大車輪に歓迎します。

どうぞよろしくお願いします!


Posted by nakamurakou at 16:51