2006年03月25日

真夜中のハイスクール

sakura 先日の“屋根を往く高校生”の話で思いだした、
高校を卒業して、半年くらい経った頃、夏の話だ。

どういう経緯だったのか忘れたけど、僕らは集まっていて、どういう経緯か忘れたけど、ある歌の話になった。

『真夜中のハイスクールに、金網を越えて忍び込んで、彼女と一緒にプールで泳いだ。水着も着けずに泳いだのだけど、彼女は息を呑むほどセクシーだった。』

という内容の歌。何故だかその時、それを実践しようという話になった。


で、夜中に母高の金網を越えて、プールに忍び込んだのは、
僕、コマ・グン(仮名)、ハマア(仮名)、なる王(仮名)、おかじん(仮名)。
(五人はカムカムナウのメンバーでもある)


その歌は、完全無欠のラブ・バラードだった。
だから僕ら五人が金網を越えても、再現なんて出来ないのだが、まあいい。
音も光も人も何もない高校に忍び込んで、
プールサイドに立つまでは、結構どきどきした。


月明かりに照らされて、プールの水がきらきらと光る。
なる王(仮名)が、ふざけたことを言うのだが、誰も笑わない。
ただ、その声だけが奇妙に響く。


僕らはそのとき、本当に泳ぐ気なんてなかった。
ここに来よう、というだけで、具体的に何の計画があるわけでもなかったのだ。


僕らは半年前まで、この場所に毎日来ていた。
毎日この場所に来て、五人でつるんだり、つるまなかったり、
楽しかったり、楽しくなかったり、でもだいたい毎日、この校舎に通った。

だけど今ではもう、来ることもない。この先、来ることもないだろう。
たった半年経っただけなのに、この場所は、僕らから遠く離れていた。



と、

光速で服を脱ぎ捨てた、元水泳部のハマア(仮名)が、
トビウオのような見事さで、プールに飛び込んだ。

バシャン、と深夜に響く音。

盛大な水しぶきの先に、うっすらと見えるハマア(仮名)の尻。


わははははははは、と笑いながら、僕とコマ・グン(仮名)も素っ裸になった。
飛び込み台に並んで立ち、おりゃ、っとダイブした。
なる王(仮名)も、うひょー、とか言いながら続く。

わははは、わははは、と笑いながら、僕らは泳いだ。
一人乗り遅れた、おかじん(仮名)が、プールサイドで佇んでいる。
おかじん、おかじん、と僕らは指を差して笑った。

やがて、おかじん(仮名)は、もじもじと服を脱ぎ始める。
青い尻が月明かりに映えて、僕らはまた爆笑した。

ちゃぽん、と音をたてて、おかじん(仮名)は入水した。
おかじんがきたー、と、なる王(仮名)が叫び、この日一番の爆笑が起こった。


水の中で笑いを堪えながら、僕らは泳ぎ続けた。
ぐるぐるぐるぐる、と僕らは円になって泳ぎ続けた。


Posted by nakamurakou at 14:32