2005年06月30日

一個流し

来週木曜(7月7日)、『I LOVE YOU』という本が出る。
 男性作家六人による恋愛アンソロジー。
 昨日、六人揃って合同で雑誌取材を受けた。

取材が終わってから、二百冊サイン本を作り、
色紙も百枚、ポスターにもサインをすることになった。

 テーブルに並んだ、伊坂幸太郎、石田衣良、市川拓司、中田永一、中村航、本多孝好。(この文すべて敬称略)
六人の間を本がバケツリレーのように手渡され、サインされていく。

 『ぐるぐるまわるすべり台』を読まれた方は、
 「月に吠える」に出てくる工場を思いだしてほしい。
『哲郎』→『メガネ君』→『ノッポさん』→『じっちゃん』 の順に製品が流れ、完成していく。こういうのを一個流し生産と言うが、 今回のサイン本作成もそんな感じだった。

「月に吠える」生産ラインでは、哲郎の手だけが異常に速かったわけだが、
 「I LOVE YOU」サイン本生産では、中村航の手だけが遅かった。

 歩留まりが発生し、僕の右にだけサイン本が積まれていく。
 「お、中村さんの横に山ができてきましたねえー」と、
さらさらサインを書きながら、爽やかに発言する石田衣良。 ピ、ピンチだ。

 タクトタイムを死守しなければ、 僕の後ろでサインする本多さんに迷惑がかかってしまう。
皆さん、雑談などしながらサインする中、 無言で生産に没頭した。

 70冊を超えたあたりで、少しずつ盛り返す中村航。
何だかサインが変形してきた気がするが、気にしない。 これは進化と呼びたい!

サインを一枚書くのには、それに適したリードタイムというものがあり、
 逆に言うと、適したリードタイムで書かれるものがサインなのだ。


 生産は完了し、我々はビールで乾杯をした。

Posted by nakamurakou at 17:34 │TrackBack(1)

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